ぎりぎりの綱渡り
今、世の中でブログが流行り、多くの一般の方々が日記を綴って公開している。
17年前の結婚してから5年間、ウィンドサーフィンの専門誌に「飯島夏樹の生活日誌」と題された連載させて頂いていた。
これがなかなか好評だったが、公開日記という意味ではまさにブログ。
最近それを日々読み返し、色々なことを思い出す。
始めるにあたって、編集ライターの方から「夏樹は何か異常なものをかかえているから、日記に書いてすっきりしてみないか?」との提案を受けた。
夏樹は電話嫌いだったが、読書と手紙そして文章を綴る事は大好きで、文章だと言いたい事が言えると、張り切って5年間続けた。
夏樹が現役プロウィンドサーファーだった頃、何かのインタビューで「ぎりぎりの綱渡りなんです」と言っていたのを思い出す。
何がかというと、経済的にだったが、今思うと精神的にもそうだったと思う。
経済的には、何社かのスポンサー収入をいただき、その中から自分達でやりくりしワールドカップ遠征をしていた。
旅費だけならともかく、F1のように道具にかける費用も旅費並みであった。
スポンサーさんのメーカーのプロトタイプのものだけでなく、自分でお金を出してスペシャルのカスタムボードを作ってもらったり、細かなギアにも投資した。
ざっと見積もっても、旅と道具で最低600万円は必要。それに加えて生活費。かけた分戻ってくるのは、名誉だった。そして、賞金はいつも食費程度だった。
日本国内の大会だったら、スポンサーさんから遠征費が出て、賞金も海外よりもはるかに良いから、きっと蓄えもできただろう。
でも、夏樹は「それではダメだ」と、ひらすら海外に突き進んでいった。20代前半の若さゆえだったが、休む暇なく頑張り続けていた。
「何が彼をそうさせるのか?」と驚いていたが、考える間もなく次から次へと追い立てられるように、目標の予定はいっぱいになっていった。
だが、それはただ自己実現の為だった。「凄い!」と人から思われたいというハングリー精神でもあった。
心臓に毛が生えているのかと、夏樹をたくましく思っていたが、「ぎりぎりの綱渡りです」の意味の奥に隠れた様々な思いに、当時は気づかなかった。

飯島寛子
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受信: 2007/02/19 13:10:03





コメント
こんにちは寛子さん。
夏樹さんの日記読ませて頂いてました!
ウィンドサーフィンの事、海の事、家での出来事、寛子さんの事も書いてましたよね。その本を買うと夏樹さんの日記から読んでいたよな。そのくらい、楽しみにしてました。
また、読みたいな~。
投稿者: メロン (2007/02/23 10:27:27)
夏樹さんの子供たち、ひろこさん・・・
あなた方のことを静かに応援するものです。
私は夏樹さんと大学で一緒に体操の講義を受講しました・・・それが一番印象に残っているかな・・・
非常に忙しくて・・・同じ学科とはいえなかなか遭遇すらできない存在でした・・・
一つ先輩でしたが「よう、ヒロ!げんきぃ!」なんて声をかけてくれました。
キラキラした笑顔・・・忘れませんよ・・・
風が吹くと海へ・・・もちろん・・講義はそっちのけ・・・
そのうち会えるだろうと思っていましたが・・・
ひろこさん・子供たち・・・
必ず会いに行きます・・・会ってね!!!!!
・・・・・
・・・・
ああ~、徒手体操も一緒だったなぁ~・・可愛い走りするんよ!
そういえば・・・ワールドカップ参戦・・・
幻の入賞というのがあったような気もします・・・
新参者がゆえに風が吹いてなかったとかで再レース・・・
そんなに実力があるのかと思ったし、その頃の私には、その実力がどんなに凄いかも実感できませんでしたね~・・・
夏樹さんはその頃・・ひろこさんと出会ってましたか?
長くなってしまいました・・・(私の頭の中を夏樹さんが可愛く走りすぎました・・・)
夏樹さんの子供たち・・・日本語がんばれ!
必ず会いに行きます!
投稿者: kinryuyama (2007/02/21 21:46:31)
タマキ君、益々、逞しくなってきましたね。。
夏樹さんが、天国へ行ってから、もうすぐ2年になるんですね。。寛子さんにとっては、やっと、夏樹さんとの生活を、心に余裕をもって、ゆっくり、しみじみと思い返されてきているのではないでしょうか。。
投稿者: ひかり (2007/02/21 18:17:51)
ハングリー精神・・・今の自分に一番欠けているもの。
綱渡り・・・結婚してしなくなってしまいました。
投稿者: sakuzo~ (2007/02/19 12:53:12)
私も「飯島夏樹の生活日誌」是非とも読ませていただきたいです。
遠征費が出て賞金の多い日本の大会よりも海外の大会に挑み続けた夏樹さんと、影で支え続けた寛子さんは本当に素敵です。
投稿者: sachi (2007/02/19 11:52:54)
「飯島夏樹の生活日誌」是非読んでみたいです。
写真が入るようになって益々子供達の成長の早さを感じます。
タマキ君のSK8なんて日本で放送された番組では考えられなかったですから・・・。
早いものであと少しで2年ですね。
投稿者: お作 (2007/02/18 21:57:19)
「ぎりぎりの綱渡り」でしたか。ヴァイオリンの件のFAXでの楽しいやり取りが思い出されます。お母様にもよろしく。もう東京かも知れませんね。
投稿者: 冬の旅 (2007/02/16 21:43:45)
今の飯島家の皆さんの日常や、懐かしい思い出話を教えてくださる寛子さんに感謝です。とても楽しく、時には少し涙が出そうになりながら拝見しています。これからも時々様子を聞かせてくださいね。応援しています。
投稿者: aloha (2007/02/16 20:02:00)
大変なご苦労をされてきてますよね。「ぎりぎりの綱渡り」…本当にいろんな意味ですごい人ですよ夏樹さん。そんな夏樹さんを支えつづけていた寛子さんもステキです。
投稿者: vavi (2007/02/16 12:08:05)